楮はクワ科の植物で美濃紙の原料はその皮の部分を使用します。製紙原料として一年かけて栽培し背丈は約2~3mまで伸びます。
楮は冬に収穫します。刈り取った後に一定の長さに切り揃えて大きな釜で蒸し皮剥ぎ易くします。
和紙は楮の白皮を使って作られます。より良い原料を作る為に表皮の黒皮や緑色のあま皮の部分は丁寧に削り取られます。
流水に楮の白皮を浸し、原料に含まれている不純物を流し去ると共に日光により穏やかに漂白させます。
煮熟剤にソーダ灰を用いて原料のアクを抜き軟らかくします。
紙煮の終わった原料を清流に浮かべながら、残っているキズや不純物を丁寧にひとつずつ手作業で取り除いていきます。
洗浄の終わった原料を叩きほぐしトロロアオイの根から抽出した粘液と混ぜ合わせて紙料を作ります。縦揺りにゆったりとした横揺りを加える複雑な動かし方を行うのが紙漉きの特徴です。
漉き終った紙床(しと)を一晩おいてからゆっくりと圧力をかけて脱水します。脱水が終わった後に一枚一枚を丁寧に剥がしながら干し板に貼り付けていきます。干し板は木目の少ない栃材です。
屋外で日光によりゆっくりと乾燥されていきます。天日にて乾燥された紙は穏やかに漂白され柔らかな紙色に仕上がります。
乾燥の終わった紙を一枚一枚陽に透かしながら、厚さや色合い、地合いによって選別していきます。最初に粗選りを行い仕上げに再び紙を選り分け製品を完成させます。
代表的な障子紙。
書院紙と同じ製法で作った薄口の紙。
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