和紙  長谷川和紙工房

WASHI  HASEGAWA WASHI KOBO

小学生のための Q&A

小学生の社会科(しゃかいか)用ですが、よく質問(しつもん)されることをあげてみました。

1、いつから美濃和紙はつくられているのですか?

2、美濃和紙にはどんな種類(しゅるい)があるのですか?

3、美濃和紙はどのようなことに、つかわれているのですか?

4、いまは何人(なんにん)ぐらいの人が美濃和紙をつくっているのですか?

5、美濃和紙とほかの和紙とのちがいは何ですか?

6、一日に何まいつくることができるのですか?

7、どうして和紙は、かわかす時に一まいずつに、はがせるのですか?

8、一まいの美濃和紙をつくるのにどのくらい時間(じかん)がかかりますか?

9、美濃和紙をつくる仕事(しごと)でどんなところがいちばんむずかしいですか?

10、どうして手すき和紙は値段(ねだん)がたかいのですか?

11、美濃和紙をつくってみてどんなところが楽しいですか?

12、後継者(こうけいしゃ)の人は何人ぐらいいるのですか?

13、美濃和紙をつくるときにつかう道具(どうぐ)にはどんなものがありますか?


1、

いつから美濃和紙はつくられているのですか?

 はっきりしたことはわかりませんが、いちばん古い(ふるい)美濃和紙で今ものこっているものは、大宝2年(西暦702年)につくられたとみられる紙で、奈良(なら)の正倉院(しょうそういん)というところにおさめられています。今の岐阜県(ぎふけん)の南半分(みなみはんぶん)がそのころは美濃(みの)の国とよばれていて、そこでつくられた紙が美濃紙(みのがみ)とよばれるようになりました。いまでも美濃紙とよびますが、美濃和紙とよぶこともあります。そのころの美濃の国は紙の原料(げんりょう)となる楮(こうぞ)や紙すきにかかせないきれいな水がたくさんありました。そして、その紙は今でもとてもきれいにのこっているので、そのころから紙すきがさかんにおこなわれていたのではないかと考えられています。

先頭に戻る

2、

美濃和紙にはどんな種類(しゅるい)があるのですか?

 

いまつくられている美濃和紙はいろいろありますが、国の重要無形文化財(じゅうようむけいぶんかざい)に指定(してい)されている本美濃紙(ほんみのし)をはじめとして、薄美濃紙(うすみのがみ)、在来書院紙(ざいらいしょいんし)、箔合紙(はくあいし)、落水紙(らくすいし)や植物入り紙(しょくぶついりがみ)などの美術紙(びじゅつし)などがつくられています。
 
先頭に戻る

3、

美濃和紙はどのようなことにつかわれているのですか?

 本美濃紙(ほんみのし)などは障子(しょうじ)にはったりするほか、絵をかいたり版画(はんが)などにつかわれています。薄美濃紙(うすみのがみ)は古文書(こもんじょ)などの文化財(ぶんかざい)をなおすことや、掛け軸(かけじく)や屏風(びょうぶ)などの裏打ち(うらうち)につかわれたりしています。また提灯(ちょうちん)などのインテリアにもよくつかわれています。箔合紙(はくあいし)はうすい金箔(きんぱく)などををはさんでおくためにつかわれています。水でもようをつけた落水紙(らくすいし)やもみじなどをすきこんだ植物(しょくぶつ)いり紙などは、ちぎり絵やさまざまな加工品(かこうひん)をつくるときなどにつかわれています。ほかにもまだまだいろいろなところで美濃和紙はつかわれています。

先頭に戻る

4、

いまは何人(なんにん)ぐらいの人が美濃和紙をつくっているのですか?

 

今は美濃市内(みのしない)に18軒(けん)の紙すきをしているところがありますが、そこで約50人が美濃和紙づくりをしています。
 
先頭に戻る

5、

美濃和紙と、ほかの和紙とのちがいは何ですか?

 昔(むかし)にくらべると、ちがいはすくなくなりましたが、美濃(みの)の障子紙(しょうじがみ)はとてもよいといわれていたようです。それは紙が全体(ぜんたい)にムラなくすっきりと仕上(しあが)っているために、すけてくる日光(にっこう)が明(あか)るく見えたためです。つくり方でも紙をすく時に、タテだけでなくヨコのほうにも水を動(うご)かしてすくのが、昔からの美濃のつくりかたです。そのことですっきりとした紙になるだけでなく、タテにもヨコにもじょうぶな紙にもなるのです。

先頭に戻る

6、

一日に何まいぐらい、すくことができるのですか?

 

つくる紙の大きさや厚(あつ)さによってもちがいますが、うすい紙で200枚から300枚くらいで、あつい紙になると100枚から150枚くらいです。なかには一日に50枚ぐらいしかできない紙もあります。
 
先頭に戻る


7、

どうして和紙は、かわかす時に一まいずつに、はがせるのですか?

 

紙をすいて重(かさ)ねたところを見ると、やわらかいのでくっついてしまっているように見えます。しかし紙は一枚(いちまい)ずつすいているので上の紙と下の紙はきちんと分かれています。それはすくということが楮(こうぞ)の繊維(せんい)をしっかりと、からませてならべているので、水さえしぼりだせば、はがすことができます。
 
先頭に戻る

8、

一まいの美濃和紙をつくるのにどのくらい時間(じかん)がかかりますか?

 

和紙は一枚(いちまい)を作るというよりも、まとまった数の紙をじゅんばんにつくっていきます。ですから、一枚だけを作るということはしていません。また紙の種類(しゅるい)によってもかなりちがいがあります。和紙の原料(げんりょう)である楮(こうぞ)をつくるのには1年間(ねんかん)かかります。きちんとした原料(げんりょう)になったものをつかって紙づくりがはじまりますが、おおよそ1000枚の本美濃紙(ほんみのし)をつくるのに二人の人がはたらいても 1ヶ月ほどかかります。
 
先頭に戻る

9、

美濃和紙をつくる仕事(しごと)でどんなところがいちばんむずかしいですか?

 

一つの仕事(しごと)だけがむずかしいのではありません。いろいろな仕事をバトンタッチしながら美濃和紙はできあがっていきます。ですから一つの仕事で失敗(しっぱい)してしまうと、ほとんどの場合(ばあい)もとにもどりません。ひとつひとつの仕事をたいせつにしながら、つぎの仕事がうまくいくように気をつけなければいけないのです。すべての仕事で気をぬかずにしなければいけない、そこがいちばんたいへんです。
 
先頭に戻る

10、

どうして手すき和紙は値段(ねだん)がたかいのですか?

 

手すき和紙はそのすべてが手づくりでつくられています。自然(しぜん)の原料(げんりょう)をたいせつにしながら仕事(しごと)をすすめていくと、紙をつくるのにとてもおおくの時間(じかん)がかかります。したがって値段(ねだん)はどうしてもたかくなりますが、紙を使う人たちもたいせつに紙を使っているので、とても手すき和紙は長持(ながも)ちします。たいせつにすることで、手すき和紙はいかされているのです。
先頭に戻る
 

11、

美濃和紙を作ってみてどんなところが楽しいですか?

 

楮(こうぞ)という木の皮(かわ)をつかって仕事(しごと)をしますが、なにか和紙ができあがるのが不思議(ふしぎ)におもえてきます。ていねいに、いっしょうけんめい仕事をして、きれいな和紙ができ上がると、とてもうれしくおもいます。また和紙をつかってくださる人たちから、「いい紙をつくってくれてありがとう。」といわれたときは、ほっとした気持ちになり自分(じぶん)の仕事が役(やく)にたったんだと、うれしくおもいます。
 
先頭に戻る

12、

後継者(こうけいしゃ)の人は何人(なんにん)ぐらいいるのですか?

 

今は美濃和紙を勉強(べんきょう)しているわかい人は6人います。美濃市(みのし)の人のほかにも、とおくの県(けん)からきている人もいます。みんなとても熱心(ねっしん)に仕事(しごと)をしているので、これからも美濃和紙作りは心配(しんぱい)ありません。
 
先頭に戻る

13、

美濃和紙を作るときにつかう道具(どうぐ)にはどんなものがありますか?

 

美濃和紙を作るときにつかう道具(どうぐ)にはいろいろなものがありますが、すく時につかうのが桁(けた)、簀(す)、すき(ぶね)、かわかすときにつかうのが刷毛(はけ)、干し板(ほしいた)などです。そのほかにも、釜(かま)、しょうけざる、ビーター、包丁(ほうちょう)などたくさんの道具がひつようです。これらはせんもんの職人(しょくにん)さんが作られるのですが、ほとんどの職人さんが美濃市(みのし)にいて全国(ぜんこく)の紙すきに送(おく)っています。
先頭に戻る